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諸悪の根源は「記者クラブ」なのか


上杉隆『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎新書)を読んだ。著者は、NHKで少し働いた後、衆議院議員の鳩山邦夫の公設秘書を経て、ニューヨークタイムズの東京支局の記者になり、いまはフリーランスのジャーナリストとして活躍している人である。評判になった『官邸崩壊』(新潮社)は未読だが、前に田中真紀子についての文章を読んで、「よく取材しているな」と思った記憶がある。

この本は、著者が見聞きした日本の新聞・テレビ記者の「実態」をもとに、書名のように日本のジャーナリズムは崩壊していると糾弾したものだ。著者によれば、「諸悪の根源は記者クラブ」ということになりそうだ。

私は長く新聞記者をしていたが、残念ながら、中央省庁の記者クラブに属したことはない。著者は日本の記者クラブは世界的にも例をみない権力とメディアの癒着ともたれあい構造を持った「負の世界遺産」だそうだから、経験しておけばよかった。というのは、まあ冗談だが、「ニューヨークタイムズでは……」(いわゆる「出羽守」というものですね)といった感じもフレーズが頻出する「記者クラブ批判」には、少し首を傾げる。

記者クラブに問題がないとは思わないが、既成メディアの中でも優秀な記者は、別に記者クラブに依存して取材などしていない。

もう一つ、インターネットの普及に対する、たとえば、次のようなまことに楽観的なものに見方も疑問である。

インターネットの登場によって、建前に終始している既成メディアの論調は色褪せてきた。代わりに過激になりがちではあるものの、本音の議論が求められるようになってきた。
 自己保身が先に立つ社説などの飾った論調は、「ブログ」や「2ちゃんねる」などの出現によって次々に正体を暴かれ、影響力を失う事態に追い込まれている。また、テレビのニュース報道番組の自主規制も、「ユーチューブ」などの登場によって、それ自体無意味なものと化している。こうしたメディア環境の変化は、既存メディアの懸命な隠蔽工作すらいとも簡単に超越しているのだ。


何を言っているの?といったところだ。新聞の社説やテレビのニュース放送番組に問題がないとは思っているわけではない。だが、既存メディアとネットメディアの関係は、後者が前者を無意味化しているといった単純な事態ではない。


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2008年08月14日 感想/その他 トラックバック:0 コメント:2

はじめまして、
ブログに基づいて、記事を書く人です。
このポストが面白いので、引用したいと思いますが、いくつかの文章を翻訳してもよろしいでしょうか。
よろしくお願いいたします。

2008年08月30日 タマ URL 編集

先生お久しぶりです。
ボクもこれ読みました。確かに「諸悪の根源は記者クラブだ!」という言い方ですね。前半は読んでいて痛快だったのですが、後半の失速具合にはちょっとガッカリしました。
今志望している身には、読んで少し心配になりました(苦笑)。と、今日も某新聞社からいい返事がもらえず、杞憂に終わってしまうのですが…。

2008年09月02日 ヤマダ URL 編集












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