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魚住昭氏の「衝撃スクープ」?!

 月刊『現代』9月号所載の魚住昭《NHK番組改変問題 「政治介入」の決定的証拠》を読んだ。朝日新聞の本田雅和記者らがNHKの松尾武・元放送総局長、自民党の安倍晋三、中川昭一両氏に取材した「証言記録」を「独占入手」した「衝撃スクープ」なのだそうだ。
 「証言記録」とは何か・どこから入手したのか……といった問題がいろいろある。常識的に本田雅和記者本人から流出したと考えると、朝日はたぶん困ったことになるだろう。だが、ここではその問題は論じない。この「証言記録」が本田記者の取材を正確に伝えるものだとしても、魚住氏のように《……本田記者の取材は極めてまっとうな形で行われたことがわかる》と結論することはとうていできないことを指摘しておきたい。
 本田記者は結局、NHKの長井暁チーフプロデューサーがNHKのコンプライアンス制度に基づいて行った申し立ての線に沿って事態を理解しており、この先入観から一歩も出ないまま、松尾氏らから「必要な言質」を取ろうとしていることが明白である。問題はいくつもあるのだが、二点だけ記しておく。
 まず、この「証言記録」にある限りで、本田記者は取材過程で松尾氏の言ったことは《クオートしない》ということを4回も言っている。《クオート》について魚住氏は「実名で引用」と注を付けているが、これはおかしい。《クオート》はいうまでもなく単に「引用する」という意味である。実名も匿名もない。つまり、本田記者は、ここで《あなたの発言は引用句のかたちでは記事の中で使いませんから、安心して「真実」を話してください》と「必要な言質」を取るべく、松尾氏を誘っているのである。一カ所だけ具体的に引いておく。
本田記者は次のように松尾氏に迫っている。《松尾さんの言葉は絶対にクオートしません。自民党で証言してくれる人がいれば、それでいいわけだから、僕らをサポートしてほしい。……》。
 ついでに書いておくと、ここで本田記者が言っている《僕ら》とは何なのだろうか。
 もう一点は魚住氏の日本語の理解力にもかかわる。まず、そのくだりを引いておこう。安倍氏への取材である。

 本田 先生が放送中止を事前に求めたということが言われているんですが。
 安倍 そんなこと求められるわけないじゃないか。
 本田 いや、中川先生はそういうふうに言ったとおっしゃっていますが。

 このやりとりをふつうに読めば、「事前に放送中止を求めたこと」を否定する安倍氏に対して、本田記者が「そんなこと言っても、中川先生は安倍先生が放送中止を求めたとおっしゃっていますよ。(ウソをついてもだめですよ)」と言ったというふうにしかとれない。安倍氏が否定したことに対して、本田記者は「いや」と応じて、後の発言を続けているのである。しかも、その前段で本田記者は「……言われているんですが」という問いかけをしていている。「中川先生はそういうふうに言ったとおっしゃっていますが」の「おっしゃっています」の部分は当然、前段の質問の、この部分に対応する。
 これを魚住氏は《……本田記者が「子供騙しのひっかけ」をした事実もない》として、安倍氏側の「誤解」だとしている。魚住氏は、ここで《読者にはすでにおわかりのことと思うが……》という言葉を使っているのだが、私には逆に本田記者が露骨な(決して「子供騙し」ではない)「ひっかけ」をしたことはだれにでも理解できるように思える。

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2005年08月04日 感想/その他 トラックバック:0 コメント:0












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