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合併市名の地名学的?考察

 4月から新しく市町村合併で多くの新しい地方自治体が誕生する。けさの朝日新聞が、すでに発足した自治体を含めて全国のリストを載せている。合併をめぐる種々の問題はここでは置くとして、このリストを見ていて新しい市の名前について、少し「地名学」的に考えた。パターンとしては次の3通りある。
①中核的な市が周辺の町村を「併合」するケースで、その中核的市の名前を受け継ぐもの
②ケースはほぼ同じだが、新しい市名にするもの。
③いくつかの市町村が「併合」ではないかたちで合併して、新しい市名にするもの。
 ①の場合は、消えてしまう旧町村がたくさんあるわけだが、それらは恐らくは新しい○○市の下位地名として残るのだろう。いや、残すべきである。
 ②は比較的少ない。長野県・千曲市(更埴市、上山田町、東部町)▽鹿児島県・薩摩川内市(川内市ほか)▽高知県・四万十市(中村市、西土佐村)▽山口県・山陽小野田市(小野田市、山陽町)▽秋田県・由利本荘市(本荘市ほか)といったところか。
 「地名学」的にみて断然、興味深いのは③のケースであり、問題も多い気がする。岐阜県・郡上市(八幡町ほか)のように郡名を引き継いだものや、島根県・隠岐の島市(西郷町ほか)ように地域名として確立しているものは抵抗がない。山梨県・笛吹市(石和町ほか)▽徳島県・吉野川市(鴨島町ほか)のように「流域」という共通性に着目したと思われるネーミングも、実態はよく知らないが、何となく納得できる。
 「これは何だ!」と思うのは、すでにかなり話題になった山梨県・南アルプス市など、何やら目新しい名前をひねり出した市である。静岡県・伊豆の国市▽同・伊豆市▽茨城県・坂東市▽栃木県・さくら市▽香川県・さぬき市▽同・東かがわ市▽愛媛県・四国中央市▽兵庫県・南あわじ市などがある。
 静岡県には「伊豆の国市」と「伊豆市」があるのもびっくりするし、「四国中央市」とはなんだか夜郎自大的だ。淡路島には「南あわじ市」と「淡路市」が出来るのも、何だかまぎらわしい。しかし、一番問題なのは「ひらがな地名」の氾濫ではないだろうか。
 すでに挙げたほかに、佐賀県・みやき町▽熊本県・あさぎり町▽鹿児島県・さつま町▽沖縄県・うるま市▽石川県・かほく市▽和歌山県・みなべ町▽三重県・いなべ市▽茨城県・かすみがうら市▽青森県・つがる市▽福井県・あわら市といった具合である。
これまでは、埼玉県・さいたま市▽茨城県・つくば市▽青森県・むつ市ぐらいだったから、急増といっていい。
 どうしてこんなことになったのだろうか。何か、「新しさ」が感じられるということか。いずれのケースでも、私にはあえてひらがなにする理由が分からない。薩摩、員弁、津軽……みんな漢字でいいではないか。表意文字としての漢字が使われた地名には当然、「意味」が込められている。「ひらがな地名」の氾濫を漢字文化の衰退と糾弾するつもりはないが、そこになにか今の時代のお手軽さを感じてしまう。
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2005年03月29日 感想/その他 トラックバック:0 コメント:0












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